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高血圧 B. 二次性高血圧とは?

薬が効かない高血圧?「二次性高血圧」の原因と検査

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「血圧の薬を飲んでもコントロールできない」
「なぜ若いのに高血圧なのか」
「健康診断で初めて高血圧を指摘されたが、どうしたらいいか分からない」

このような不安をお持ちではありませんか?   

実は、高血圧の中には、治る可能性のある「明確な原因」が隠れたタイプがあります。これが「二次性高血圧」です。

原因を見つけ出し、それを治療することで、血圧が劇的に改善したり、薬が不要になったりする可能性があります。 

この記事では、見逃されやすい二次性高血圧の特徴や原因、当院で行う検査について、循環器専門医が分かりやすく解説します。 

1. 二次性高血圧とは?本態性高血圧との決定的な違い

   高血圧は、大きく二つのタイプに分類されます。
日本高血圧学会のガイドライン(JSH2025)でも、その鑑別と適切な管理の重要性が強調されています[1]。 

   ① 本態性(ほんたいせい)高血圧 

  • 高血圧全体の約90%を占めます。
  • 原因は、遺伝と生活習慣(塩分過多、肥満、運動不足など)の組み合わせです。

   ② 二次性高血圧 

  • 血圧を上げる特定の病気が原因です。
  • 全高血圧患者さんの10%以上に見つかると言われています[1, 2]。
  • 薬が効きにくい「治療抵抗性高血圧」の方では、さらに高い割合で潜んでいます。

⚠️重要

二次性高血圧の最大のメリットは、原因の病気を治すことで、高血圧自体が完治する可能性があることです。
もし原因が見逃されると、心臓や血管へのダメージが進行し、脳卒中や心不全のリスクが高まります[1]。
原因の特定が非常に重要です。   

2. なぜ血圧が下がらない?二次性高血圧の危険信号

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   以下のような特徴がある場合、二次性高血圧が強く疑われます。一つでも当てはまる場合は、一度専門的な相談をお勧めします[1]。 

  • 薬が効かない:薬を3種類以上飲んでも、血圧が目標値まで下がらない。
  • 若年での発症:30歳未満で高血圧と診断された(特に原因が見当たらない場合)。
  • 急激な悪化:安定していた血圧が、急に高くなりコントロールできなくなった。
  • 極端な高血圧:収縮期血圧が180mmHg以上など、重度の状態である。
  • 採血の異常:過去に血液検査で「カリウムが低い」「腎機能が急に悪化した」と指摘された。
  • 内服薬の影響:ACE阻害薬やARBを飲み始めてから腎臓の数値が悪化した。
  • 睡眠や体調の変化:ひどいいびき、日中の強い眠気、動悸、急な体重増加がある。

3. 見逃してはいけない二次性高血圧の主な原因

   二次性高血圧の原因となる代表的な疾患について解説します。 

   A. ホルモンが原因:原発性アルドステロン症 

   副腎(ふくじん)から、血圧を上げるホルモン「アルドステロン」が過剰に出る病気です。

特徴:
二次性高血圧の中で最も頻度が高い病気です。高血圧患者さんの5〜10%以上に見つかります[3]。
診断には、血液中のレニンやアルドステロンといったホルモン値をチェックすることが不可欠です。   

   B. 睡眠中の呼吸が原因:睡眠時無呼吸症候群 (SAS) 

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   睡眠中に空気の通り道が塞がり、呼吸が何度も止まってしまう病気です。

特徴:
夜間に大きないびきをかく、ご家族に「息が止まっている」と指摘される、日中に強い眠気を感じるなどの症状があります。
呼吸が止まることで、体を興奮させる交感神経が刺激され、血圧が上がります[4]。   

   C. 腎臓の血管が原因:腎血管性高血圧 

   腎臓に血液を送る血管(腎動脈)が狭くなり、血流が悪くなることで起こる高血圧です。

特徴:
腎臓が「血圧を上げろ」という信号を出しすぎることで起こります。
動脈硬化が原因の場合(高齢者に多い)や、血管の病気(若い女性に多い)が原因の場合があります[5]。   

D. その他の重要な原因(内分泌疾患・薬剤性など)

薬剤性高血圧:
「昔、試しに処方された薬」が漫然と処方され続け、それが血圧上昇の原因となり、さらに降圧薬が増やされるという「悪循環」に陥っているケースが、実は非常に多く見受けられます[1]。 

  • 痛み止め(NSAIDs):
    「整形外科は混んでいるから」などの理由で、内科でロキソニンなどの痛み止めを定期処方してもらい続けているケースです。
    NSAIDsは血管を収縮させ、血圧を上げる可能性があります。また、長期の服用は腎機能の低下も招き、悪循環となります。
    「本当に毎日飲む必要があるのか?」という専門的な再評価が必要です。
  • 漢方薬(甘草):
    漢方薬は体に優しいイメージがありますが、飲みやすくするために含まれている「甘草(カンゾウ)」という成分には注意が必要です。
    甘草は、血圧を上げるホルモン(アルドステロン)と似た働きをするため、長期服用で血圧が上昇することがあります。   

     💊 当院の「お薬の整理」について

本来不必要な痛み止めや漢方薬を内服していた場合、それらのお薬を整理することで、降圧薬自体もいらなくなる可能性があります。
当院では、患者さんの将来の健康を守るため、本当に必要な薬かどうかを慎重に見極め、漫然とした処方は行わない方針をとっています。

※ただし、専門医が必要と判断して処方している場合は、自己判断で中止せず、必ず主治医に相談してください。   

  • クッシング症候群:
    副腎からコルチゾールが出すぎる病気です。顔が丸くなる(満月様顔貌)などの特徴的な見た目の変化を伴います[6]。
  • 甲状腺の病気:
    甲状腺機能亢進症や機能低下症も血圧に影響を及ぼします。
  • 褐色細胞腫:
    発作的に血圧が急上昇し、激しい頭痛や動悸を伴う稀な病気です。   

4. 当院での検査・診断の流れ

   当院では、患者さんの状態から二次性高血圧が疑われる場合、以下のステップで診断を進めます。 


     【ステップ1:問診・身体診察】

現在のお薬(お薬手帳)、生活習慣(いびき、体重変化など)を詳しくお伺いします。     


     【ステップ2:スクリーニング検査(血液・尿検査)】

一般的な健診では調べない、ホルモン値(レニン、アルドステロン、コルチゾールなど)や、腎臓の機能を調べます。     


     【ステップ3:画像検査・生理機能検査】

必要に応じて、以下の検査を行います。

  • 画像検査について:
    副腎の腫瘍や腎臓の血管の狭窄などを調べるCT・MRI検査が必要な場合は、連携している高度医療機関をご紹介いたします。
  • 睡眠時無呼吸症候群の検査:
    SASの精密検査は通常一泊入院で行うことが多いですが、当院では簡易検査・精密検査のいずれも入院の必要がなく、すべてご自宅で行っていただけます。       

     【ステップ4:専門的な検査・治療へ】

カテーテルを用いた詳細なホルモン検査(副腎静脈サンプリング)など、より高度な検査や手術が必要な場合は、連携している高度医療機関へスムーズにご紹介いたします。     

5. まとめ:高血圧の「原因」を特定し、未来の重病を防ぎましょう

あなたの高血圧には、治る可能性がある原因が隠れているかもしれません。
原因を特定し、適切な治療を行うことは、薬を減らすだけでなく、将来の脳卒中や心臓病を防ぐための最も有効な手段です。
「薬を飲んでも血圧が高い」「若いのになぜ?」と疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。
あなたの血圧の原因を、一緒に探していきましょう。 

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関連情報へのリンク

   高血圧について、さらに詳しい情報を知りたい方は、以下の各ページもぜひご覧ください。 

参考文献

  1. 日本高血圧学会高血圧管理・治療ガイドライン委員会(編). 高血圧管理・治療ガイドライン2025. 日本高血圧学会, 2025.
  2. Robert D Brook, MD. Treatment of resistant hypertension. UpToDate.
  3. William Young, Jr, MD. Diagnosis of primary aldosteronism. UpToDate.
  4. Reena Mehra, MD. Obstructive sleep apnea and cardiovascular disease in adults. UpToDate.
  5. William B White, MD. Establishing the diagnosis of renovascular hypertension. UpToDate.
  6. Lynnette K Nieman, MD. Epidemiology and clinical manifestations of Cushing syndrome. UpToDate.
  7. William B White, MD. Evaluation of secondary hypertension. UpToDate.

免責事項

この記事は情報提供を目的としており、個別の診断に代わるものではありません。

ご自身の健康状態や治療については、必ず医師にご相談ください。 

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