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インフルエンザ予防投薬

同居のご家族がインフルエンザに感染された方へ:予防内服(タミフル)のご案内

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インフルエンザの流行期には、同居のご家族が感染されることがあります。
その際、濃厚接触者であるご自身への感染を心配される方は少なくありません。

当院では、インフルエンザ感染者と同居されている方を対象に、抗インフルエンザ薬を用いた「予防内服(予防投与)」を行っております。

ただし、この処置は全ての方に推奨されるものではありません。
医学的な適応やリスクを十分にご理解いただく必要があります。
この記事では、当院における予防内服の指針、費用、および留意事項について解説します。

⚠️ まずはじめに:予防の基本について

インフルエンザ予防の基本は、あくまで「ワクチン接種」と「マスク・手洗いなどの日常的な感染対策」です。
薬による予防内服は、濃厚接触後の緊急避難的な「補助的手段」です。ワクチンに代わるものではないことをご理解ください。

1. インフルエンザの「予防内服」とは?

予防内服とは、インフルエンザウイルスに感染している可能性が高い状況(濃厚接触)で行う医療行為です。
症状が出る前から抗インフルエンザ薬を服用し、ウイルスの増殖を抑えて発症を防ぎます。

通常、インフルエンザ薬は「治療」のために使用しますが、予防内服では発症前に服用を開始します。

適切な時期(接触後48時間以内)に服用を開始することで、発症率の低減が期待できます。
※しかし、100%の発症阻止を保証するものではありません。

2. 当院の処方方針(対象となる方)

当院では、添付文書および関連学会のガイドラインに基づき、原則として重症化リスクが高い方を対象としています。

【原則的な対象(重症化リスクが高い方)】

添付文書において、予防投与が推奨されているのは特定の方です。
具体的には、インフルエンザ感染者と同居または共同生活をされており、かつ以下の条件に当てはまる場合です。

  • 65歳以上のご高齢の方
  • 慢性呼吸器疾患(喘息、COPDなど)や慢性心疾患をお持ちの方
  • 糖尿病などの代謝性疾患をお持ちの方
  • 腎機能障害のある方

これらの方は、発症すると重症化するリスクが高いため、医学的にも予防内服の意義が大きいと考えられます。

【上記以外の方(基礎疾患のない健康な方)への処方について】

基礎疾患のない15歳以上(高校生以上)の方についても、以下の2点を満たす場合は処方を検討する場合があります。

ご留意ください:
健康な方への予防投与は、医学的には「適応外使用(オフラベル)」となります。
後述する「副作用救済制度の対象外になるリスク」などへの十分なご理解が必要です。
これらにご同意いただいた場合に限り、対応させていただきます。 
  • 同居のご家族などがインフルエンザと診断されている
  • ご自身には発熱などの症状が出ていない
  • 今シーズンにおいて、予防投薬が初回であること
    (1シーズンに複数回の予防投薬は行いません。)

上記の状況で、事情により予防内服をご希望される際は、医師へご相談ください。

3. 費用と処方方法について

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予防内服は病気の「治療」ではありません。
そのため健康保険が適用されず、「自費診療(全額自己負担)」となります。

当院の費用

3,500円(税込)

※診察料とお薬代(7日分)がすべて含まれています。

🏥 この予防内服に限り、院内でお薬をお渡しします

当院は通常、処方箋を発行する「院外処方」です。
しかし、本診療(自費診療)に限っては例外です。
クリニック内でお薬をお渡しする「院内処方」にて対応いたします。

診察終了後、会計時にその場でお薬をお渡しします。
受診後に調剤薬局へ行く必要はありません。

処方するお薬

  • 薬剤名: タミフル(カプセル剤)またはそのジェネリック医薬品
  • 飲み方: 1日1回 1カプセルを 7日間 服用

※治療で使う場合(1日2回 5日間)とは飲み方が異なります。

4. 適応外使用におけるリスクと副作用について

予防内服をご希望される方は、以下のリスクについて必ずご確認ください。
特に基礎疾患のない健康な方への処方は「適応外使用」となります。
そのため、十分なご理解が必要です。

① 「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります

通常、病院で処方されたお薬を正しく使って重い副作用が出た場合、国が医療費などを給付する「医薬品副作用被害救済制度」があります。

対象外となります:
適応外使用(健康な方への予防投与など)においては、この救済制度の対象外となります。
万が一重い副作用が出ても、公的な給付を受けることはできません。 

② 副作用のリスクがあります

薬である以上、副作用のリスクはゼロではありません。

  • 主な副作用: 腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状。
  • まれな副作用: めまい、頭痛、など。

③ 100%の効果保証はありません

お薬を飲んでいても発症してしまうことがあります(ブレイクスルー感染)。
過信せず、家庭内隔離やマスク、手洗いなどの対策は続けてください。

④ 服用中に発症した場合の対応

注意: その際は「治療」への切り替えが必要です。速やかに受診してください。 

予防内服中に38℃以上の発熱などが出た場合は、インフルエンザを発症した可能性があります。

5. よくあるご質問(Q&A)

Q1. 家族が発症してから3日経ってしまいましたが、今からでも飲めますか?

A. 原則として、接触後48時間を経過している場合は処方をお勧めしません。
時間が経つと効果が期待しにくくなるためです。
ウイルスがすでに増殖してしまっている可能性が高いと考えられます。
まずはご相談ください。

Q2. 妊娠中や授乳中でも飲めますか?

A. 基本的には服用可能とされています。
しかし、妊娠週数や体調による判断が必要です。
有益性がリスクを上回ると判断される場合に処方します。
必ず医師にご相談ください。

Q3. 健康な成人ですが、どうしても休めない事情があり予防したいです。

A. 前述の通り、健康な方への投与は「適応外使用」となります。
副作用救済制度の対象外となる等のリスクがあります。
それらのリスクをご理解・ご同意いただける場合は、処方可能なケースもございます。
医師の判断となりますので、診察室にてご相談ください。

Q4. 以前もらったタミフルが家にあるので、それを飲んでもいいですか?

A. 絶対におやめください。
お薬の使用期限の問題だけでなく、予防投与と治療投与では飲み方が異なります。
また、自己判断での内服は健康被害のリスクを高めます。
必ず医師の診察を受けてください。 

まとめ

インフルエンザの予防内服は、重症化リスクの高い方にとって有効な手段です。
しかし、リスクや限界も伴う医療行為でもあります。

当院では、これらのリスクを正しくご理解いただくことを重視しています。
その上で、患者さんのご事情に合わせて診療を行います。
ご自身の状況が対象になるか分からない場合や、ご不安な点がある場合は、当院までご相談ください。

免責事項:
この記事は情報提供を目的としており、個別の診断に代わるものではありません。
記載された内容は執筆時点の医学的知見に基づきますが、100%の予防効果を保証するものではありません。
ご自身の健康状態については、必ず医師にご相談ください。 

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