仙台どうき・息切れ内科総合クリニック|内科、循環器内科|宮城県仙台市太白区

院内でのマスク着用に関して

院内でのマスク着用にご協力ください

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当院では、ご来院いただくすべての皆様に、院内でのマスク着用をお願いしております。

「他の病院では何も言われなかったのに、なぜ?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

当院が皆様にマスク着用のご協力をお願いするのは、重症化リスクの高い患者さんやクリニックのスタッフを守り、誰もが安心して医療を受けられる環境を維持するためです。

以下に、当院の方針について、その背景と理由を詳しくご説明します。

専門クリニックとしての考え方

医療機関の感染対策は、画一的なものではなく、その施設の専門性や、主に通院される患者さんの特性によって判断が異なります。

当院は「どうき・息切れ」を専門としており、心臓や肺にご病気をお持ちの方、ご高齢の患者さんが多くご来院されます。

このような方々は、一度かぜやインフルエンザなどの呼吸器感染症にかかると、重症化するリスクが非常に高いという特徴があります。

基礎疾患が悪化し、入院が必要になったり、命に関わる事態に至ったりする可能性も否定できません。

重症化リスクの高い患者さんをウイルスからお守りするため、当院ではより確実な感染対策を講じる責任があると考えております。

皆様が着用してくださる一枚のマスクが、隣に座っている重症化リスクの高い患者さんを守る「思いやりのバリア」になります。

それに加えて、皆様のマスク着用は、日々診療に当たる私たちスタッフを感染症から守るためにも不可欠です。

スタッフが健康であってこそ、質の高い医療を安定的・継続的に提供することが可能となります。

万が一、スタッフに感染が広がれば、診療体制の縮小や、最悪の場合には休診せざるを得ない状況も考えられます。

皆様の健康をお守りするというクリニックの最も重要な責務を全うするためにも、ご協力をお願いいたします。

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理由1:国や医師会など、公的機関が一貫して推奨しています

当院の方針は、院長の個人的な考えではなく、国の定める指針や専門家組織の見解に基づいています。

厚生労働省

「重症化リスクの高い者が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などでは、マスクの着用を推奨する」と明確に示しています¹。

当院はまさにこの「医療機関」に該当します。

日本医師会

同様に、医療機関内での感染拡大を防ぐため、受診する患者さんや医療従事者のマスク着用を推奨しています²。

これは、重症化リスクの高い患者さんを守るための医療界共通の考え方です。

米国疾病予防管理センター(CDC)など海外の機関

国際的に見ても、多くの国の公衆衛生機関が、医療機関内(Healthcare settings)でのマスク着用を推奨しており、これは世界標準の感染対策と言えます³。

UpToDate®など、世界中の医師が信頼する最新の医療情報

世界中の医師が、日々の診療で最善の判断をするために利用している、最新の医学研究に基づいた信頼性の高い情報源「UpToDate®」においても、医療環境における普遍的なマスク着用(ユニバーサルマスキング)は、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスを含む呼吸器ウイルスの伝播を減らすための重要な感染予防策として位置づけられています⁶。

理由2:医学的に見て、マスクは院内感染対策の基本です

「症状がないから大丈夫」「もうワクチンを打ったから」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、医療機関という特殊な環境では、それでもマスクの着用が極めて重要です。

最も重要な効果「ソースコントロール(感染源対策)」

マスク着用の一番の目的は、ウイルスを「拡げない」ことです。

無症状でもウイルスは排出されます

インフルエンザや新型コロナウイルスなどの呼吸器感染症は、自覚症状がない、あるいは非常に軽い時期から、ウイルスを排出している可能性があります。

ご自身が気づかないうちに、隣に座っている重症化リスクの高い患者さんへ感染させてしまう危険性があるのです。

この「無症状・軽症の時期からの感染伝播」を防ぐことこそが、医療機関で症状の有無にかかわらず一律にマスク着用をお願いする最大の理由であり、感染対策の基本原則です⁶。

飛沫の拡散を物理的に防ぎます

不織布マスクは、会話や咳をした際に飛び散るウイルスを含んだ飛沫(しぶき)を物理的にせき止めてくれます。

これが院内での感染連鎖を断ち切る上で非常に効果的です。

有効性は多くの研究で証明済みです

マスクの有効性については、パンデミックを経て世界中で数多くの質の高い研究が行われました。

  • 複数の研究結果を統合・分析したメタアナリシスやシステマティックレビューと呼ばれる信頼性の高い研究において、
    「マスクの着用が呼吸器ウイルスの伝播リスクを有意に減少させる」ことが一貫して示されています⁴。
  • 特に医療現場で全員がマスクを着用する「ユニバーサルマスキング」は、患者さんと医療従事者双方の感染率を大幅に低下させることが報告されています⁵。

よくあるご質問(Q&A)

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Q.街なかでは誰もマスクをしていないのに、なぜ病院だけ時代遅れな対応を続けるのですか?


A.

「街ではもうマスクは不要なのに」と感じられるのは、ごもっともです。
しかし、クリニックは街なかの一般的な場所とは全く異なる、特殊な環境です。

当院には、心臓や肺の病気を抱えた方、ご高齢の方など、感染症が命取りになりかねない、重症化リスクの非常に高い患者さんが集まっています


マスク着用をお願いする最大の理由は、「ご自身がウイルスから身を守るため」という目的だけではありません。
より重要なのは、「ご自身が、気づかないうちにウイルスを他人にうつしてしまうのを防ぐ」という点です。

症状がなくても、ご自身が感染源となり、隣に座っている患者さんにうつしてしまう可能性があります。

その方にとって、それは単なる「かぜ」では済まないかもしれません。

皆様が着用する一枚のマスクは、そうした意図せず誰かの命を危険に晒してしまう事態を防ぐための、社会的な責任であり、思いやりの証です。

Q.ワクチンも接種したのに、なぜマスクが必要なのですか?


A.

ワクチンは感染後の重症化を防ぐ効果が非常に高いですが、残念ながら感染そのものを100%防ぐわけではありません。
ワクチンを接種した方でもウイルスに感染し、無症状のまま他人にうつしてしまう可能性があります。
ワクチンとマスクは、それぞれ異なる方法で感染を防ぐ「複数の防御壁」とお考えいただき、併用にご協力ください。

Q.子どももマスクは必要ですか?


A.

厚生労働省の指針では、お子様のマスク着用は、すこやかな発育・発達の妨げとならないよう配慮することが重要とされています。
特に就学前のお子様については、着用を一律には推奨しておりません。
当院でもこの考え方に準じ、お子様のマスク着用は、ご本人の体調や状況に合わせて保護者の方にご判断いただいております。
着用が難しい場合は、どうぞご無理なさらないでください。

さいごに

皆様が安心して治療に専念できる環境を維持するため、院内でのマスク着用は不可欠です。
患者さん同士がお互いを守り合うための大切な対策となりますので、何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

なお、当院の感染対策にご協力いただけず、正当な理由(※)なくマスクの着用を拒否される場合には、他の患者さんの安全を確保するため、やむを得ず診察をお断りすることがございます。

これは、重症化リスクの高い多くの患者さんをお守りするための苦渋の決断です。
皆様の命と健康を守る医療機関として、何卒ご理解いただけますよう重ねてお願い申し上げます。

※ご病気やお子様であることなど、様々なご事情によりマスクの着用が困難な場合は、この限りではございません。受付にてお気軽にお申し出ください。

■ 参考文献・出典

  1. 厚生労働省. マスク着用の考え方の見直し等について. 新型コロナウイルス感染症対策本部決定. 令和5年2月10日.
  2. 日本医師会 COVID-19有識者会議. 「COVID-19」医療機関等における感染対策の基本的な考え方.
  3. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Healthcare Personnel During the COVID-19 Pandemic.
  4. Chu DK, Akl EA, Duda S, et al. Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2, MERS-CoV, and SARS-CoV: a systematic review and meta-analysis. The Lancet. 2020;395(10242):1973-1987.
  5. Wang X, Ferro EG, Zhou G, Hashimoto D, Angell SY. Association Between Universal Masking in a Health Care System and SARS-CoV-2 Positivity Among Health Care Workers. JAMA. 2020;324(7):703–704.
  6. UpToDate. Topic: COVID-19: General approach to infection prevention in the health care setting. / Topic: Infection control measures for prevention of seasonal influenza. / Topic: Infection prevention: Precautions for preventing transmission of infection. (Accessed on 2025-10-17).

仙台どうき・息切れ内科総合クリニック

院長 諸沢 薦

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