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健診の心電図で要精査(要治療)と言われたら

健康診断で「心電図異常」を指摘された方へ

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健診結果の心電図欄に「要精査」「異常あり」と書かれていると、驚かれる方が多いと思います。

特に自覚症状がない場合は、「本当に病院に行く必要があるのだろうか?」と迷われるのも自然です。

しかし、心電図の異常には、放置して良い「心配のない変化」と、治療や経過観察が必要な「病気のサイン」が混在しています。
これらを正確に見極めるには、専門的な知識と経験が必要です。

当院の院長は「循環器専門医」および「不整脈専門医」の資格を有しています。
健診で指摘されるあらゆる心電図異常に対して、専門的な視点から適切な診断と対応を行うことが可能です。

「どの病院に行けばいいかわからない」「とりあえず相談したい」という方は、まずは当院へご来院ください。

必要な検査を迅速に行い、「心配のいらない変化」なのか、それとも「治療が必要な状態」なのかを的確に診断し、不安を解消いたします。

この記事では、健診結果の受け止め方と、当院での診療の流れ(再検査の進め方)をわかりやすく解説します。

受診を急ぐサイン

次の症状がある場合は、健診結果にかかわらず、早めの受診をご検討ください。

症状が強い場合や急に悪化した場合は、救急外来の受診や119番通報も含めて、ためらわずに対応してください。

  • 失神(気を失った)、強いめまい
  • 胸の痛み・圧迫感、冷汗
  • 安静でも息苦しい、急な息切れ
  • 動悸が強く続く、脈が極端に速い/遅い
  • ご家族に若くして突然死した方がいる(目安として40歳未満など)

目次

1. 健診の判定区分と「要精査」の意味

健康診断の結果表には、A〜Eなどの判定区分が記載されていることが多いです(施設によって表記は異なります)。
まずはご自身の結果を確認してみてください。

当院では、健診心電図の判定マニュアル等を参考にしつつ、症状・既往歴・健診の他項目も含めて総合的に判断します。

判定 一般的な意味(目安) 対応の目安
A 異常なし 通常は追加の対応は不要です。
B 軽度異常 症状がなければ経過観察となることが多いです。
C 要経過観察 年単位での再検査や、状況により医療機関での確認を検討します。
D 要精査/要治療の可能性 病気が隠れている可能性があります。
医療機関での確認をご検討ください。
E 要治療 早めの受診をご検討ください。

「要精査」=「病気の確定」ではありません

心電図異常を指摘されると、「心臓が悪いのでは」と不安になる方が多いのですが、必ずしもそうではありません。

「要精査」とは、「詳しい検査をしてみないと、良いものか悪いものか判断がつかない状態」を指します。

補足
 怖がりすぎずに、まずは「確認」のために受診していただければと思います。 

2. 【コラム】健診の判定と、専門医の診断はどう違う?

「健診で引っかかったのに、精密検査を受けたら『異常なし』と言われた」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、健診と専門診療の「役割の違い」によって起こり得ます。

健診の役割は「見逃さないこと」

健康診断(および自動解析)の目的は、病気の疑いがある人を見逃さないこと(スクリーニング)です。

そのため、判定基準は安全側に広く設定されています。

ノイズや個人差の範囲でも、念のため「異常あり(要精査)」として拾い上げられることがあります。

専門医の役割は「正しく診断すること」

一方、精密検査の目的は確定診断です。

健診で指摘された波形の変化が、本当に病気によるものなのか、あるいは体質的・生理的なものなのかを、症状や追加検査と合わせて判断します。

健診の結果は「きっかけ」であり、「最終診断」ではありません。

3. 再検査を受けていただきたい方

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健診結果はあくまで「きっかけ」ですが、「放置してよい」とは限りません

※以下に当てはまらなくても、健康診断の結果で医療機関の受診(精密検査)を指導されている場合は、その指示に従ってください。

特に受診をご検討いただきたいのは次のような方です。

✅ 今回、初めて心電図異常を指摘された方

 これまで正常だった方で新たに所見が出た場合、体調や生活の変化、加齢変化、基礎疾患などの影響を含めて整理する価値があります。

✅ 以前から指摘されていたが、一度も詳しく調べたことがない方

 「毎年言われるけど元気だから」と様子を見ている方も多いと思います。
 ただし、それが本当に放置して良い所見かどうかは、心エコー検査などで心臓の形や動きを一度確認してみないと判断できません。

✅ 自覚症状(動悸・息切れ・胸痛・めまい)がある方

 健診の結果にかかわらず、症状がある場合は評価が必要です。早めにご相談ください。

※ すでに心臓の病気で治療中の方

 治療中の病気に関連して指摘された場合は、基本的に主治医の先生の指示に従ってください。
 次回の診察時に健診結果をお見せいただければ十分なことも多く、慌てて別の医療機関を受診する必要はない場合があります。

4. 【所見別】よくある心電図異常の意味と対応

心電図

ここでは、健診結果でよく見かける所見を「判定区分(A〜E)の目安」とともに説明します。

判定区分は健診機関や所見の組み合わせ、症状の有無によって変わります。
同じ所見名でも、「今回が初めての指摘かどうか」で判定が変わることがあります。

また、心臓病につながりやすい背景(高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙など)や家族歴がある場合は、より慎重な判定(上の判定)になることがあります。

結果表に「要精査」「要治療」と書かれている場合は、以下の一般論にかかわらず受診をご検討ください。

受診の目安

次のいずれかに当てはまる場合は、基本的に医療機関での確認が必要です。

  • 今回が初めての指摘、または過去に精査(心エコー・ホルター心電図など)を受けたことがない
  • 動悸・息切れ・胸の痛み・めまい・失神など、気になる症状がある
  • 結果表に「要精査」「要治療」と明記されている

一方で、毎年ほぼ同じ所見が続いており、過去の精査で問題がないと確認済み、または主治医が所見を把握して定期フォローしている場合は、急いで受診しなくてもよいことがあります(新しい症状が出た場合は別です)。

受診の際は、健診結果表と、過去の心電図・心エコー・ホルターの結果があればご持参ください。

① リズムの異常(不整脈)

心房細動

判定目安: D(要精査・要治療)


どんな状態?

 脈が不規則になり、血栓ができやすくなる不整脈です。
 脳梗塞の大きな原因となるため注意が必要です。

対応の目安

 未治療の方は早期受診が必要です(脳梗塞予防の評価が重要です)。
 治療中の方は主治医の方針に従ってください。

心房粗動

判定目安: D(要精査・要治療)


どんな状態?

 心房細動と近いタイプの不整脈で、脈が速くなることがあります。

対応の目安

 受診が必要です(血栓予防〔抗凝固薬〕の要否や、治療方針の評価が必要になります)。

 治療中の方は主治医の方針に従ってください。

上室期外収縮(単発)

判定目安: B〜C(軽度異常・要経過観察)


どんな状態?

 心房側から予定より早い脈が出ます。
 「脈が飛ぶ」感覚の原因になります。
 多くは良性です。

対応の目安

 動悸(脈が飛ぶ感じなど)を自覚している場合は受診が必要です。

 必要に応じてホルター心電図などで評価します。

上室期外収縮(頻発・連発)

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 期外収縮が多い、または連続して出る状態です。

対応の目安

 基本的には受診が必要です。
 ホルター心電図などで頻度や種類、症状との関連を評価します。

洞性頻脈

判定目安: D(※健診では「洞頻脈」として扱われることがあります)


どんな状態?

 脈が規則正しく速い状態です。
 緊張・発熱・貧血・甲状腺機能亢進などが背景にあることがあります。

対応の目安

 動悸・息切れなどの症状がある場合は受診が必要です。

 無症状でも頻脈が続く場合は、原因(貧血・甲状腺・感染症など)の確認を行います。

洞性徐脈

判定目安: A〜D(異常なし〜要精査)


どんな状態?

 脈が規則正しく遅い状態です。
 体質や運動習慣でみられることもあります。

対応の目安

 めまい・ふらつき・失神などの症状がある場合は受診が必要です。
 無症状で軽度なら経過観察となることもありますが、著明な徐脈では評価します。

心室期外収縮(単発)

判定目安: B〜C(軽度異常・要経過観察)


どんな状態?

心室側から予定より早い脈が出ます。

対応の目安

無症状で単発なら経過観察となることもありますが、動悸(脈が飛ぶ感じ)を自覚している場合は受診が必要です。
頻度が多い場合はホルター心電図や心エコー、採血などで評価します。

心室期外収縮(頻発・2連発など)

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 期外収縮が多い、または連続して出る状態です。

対応の目安

 基本的には受診が必要です。
 ホルター心電図や心エコー、採血などで評価します。

非持続性心室頻拍

判定目安: D(要精査・要治療)

どんな状態?

連発する速い心室性不整脈です。

対応の目安

受診が必要です。
ホルター心電図や心エコーなどで原因とリスクを評価します。
必要に応じて、高次施設への紹介を検討します。

② 興奮伝導の異常(ブロックなど)

右脚ブロック

判定目安: B〜D(軽度異常〜要精査)


どんな状態?

 電気の通り道(右脚)に伝導遅延がある状態です。
 多くは経過観察で問題ない所見です。

対応の目安

 ただし、右脚ブロックの中に「他の伝導障害(左軸偏位など)を伴うタイプ(いわゆる二束・三束ブロックの可能性)」が混じることがあり、健診の自動判定だけでは見分けがつかない場合があります。
 必要に応じて心電図の読み直しや追加評価を行います。
 めまい・失神などの症状がある場合は受診をご検討ください。

完全左脚ブロック

判定目安: D(要精査・要治療)


どんな状態?

 電気の通り道(左脚)の障害で、背景に心疾患が隠れることがあります。

対応の目安

 基本的に受診が必要です。
 心エコーなどで心機能や基礎心疾患の有無を評価します。

第1度房室ブロック(PR延長)

判定目安: B〜D(軽度異常〜要精査)


どんな状態?

 電気の流れがやや遅くなっています。
 多くは経過観察です。

対応の目安

 症状がある場合や著明な延長では精査を検討します。

第2度・第3度房室ブロック

判定目安: D〜E(要精査・要治療)(健診機関により表記が異なります)


どんな状態?

 電気の流れが途切れたり遮断されたりする状態です。
 めまい・失神のリスクがあり、ペースメーカー治療が必要になることがあります。

対応の目安

 基本的には受診が必要です。

WPW型心電図

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 余分な電気の回路(副伝導路)がある状態です。
 発作性の動悸の原因になることがあります。

対応の目安

 動悸や息切れなどの症状がある場合は受診が必要です。
 必要に応じてホルター心電図などで評価します。

③ 波形の異常(虚血・心筋障害・肥大など)

STやT波の変化は、体質・体調・電極の付け方などでも見え方が変わるため、健診でよく指摘されます。

受診の必要性は、上の「受診の目安」を基本に判断します。

ST上昇

判定目安: B〜D(軽度異常〜要精査)


どんな状態?

 心筋虚血、心筋梗塞、心膜炎などが疑われる場合があります(体質や条件でそのように見えることもあります)。

対応の目安

 普段から胸の痛み・圧迫感がある場合は受診が必要です。
 必要に応じて心エコーや採血などで評価します。

ST低下

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 狭心症などの虚血、心肥大、薬剤影響などでみられることがあります。

対応の目安

 胸の痛み・圧迫感がある場合は受診が必要です。
 また、高血圧がある方でST低下を指摘された場合も、心肥大などの影響が隠れていることがあるため、受診が必要です。
 心エコーで確認します。

T波異常(平低)

判定目安: B〜C(軽度異常・要経過観察)


どんな状態?

 体質で長年同じ所見が続く方もいます。
 体調、電解質、薬剤などで変化することもあります。

対応の目安

 内服内容や体調の影響も含め、必要に応じて採血(電解質など)で確認します。

T波異常(陰性T波)

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 虚血、心筋症、心肥大などの可能性があります。

対応の目安

 一度は受診して、心エコーなどで背景を確認することをおすすめします。
 特に高血圧を指摘されている方は、心肥大が関係していることがあるため、受診をご検討ください。

異常Q波

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 過去の心筋梗塞の痕跡などが疑われます(偽陽性もあります)。

対応の目安

 これまで精査(心エコーなど)を受けたことがない場合は受診が必要です。
 心エコーで心筋梗塞の痕跡や壁運動異常がないか確認します。

左室肥大

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 心臓の筋肉が厚い可能性があります。
 高血圧が原因のことが多い一方で、心筋症や弁膜症などが背景にある場合もあります。

対応の目安

 基本的には受診が必要です。
 心エコーで壁の厚さ・心機能・弁の状態などを確認し、必要に応じて血圧評価や追加検査を検討します。

R波増高不良

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 電極位置や体型で起こることもありますが、心筋梗塞の痕跡(虚血)や、心臓の周りに水がたまる状態(心嚢液)などが背景にある場合もあります。

対応の目安

 これまで精査(心エコーなど)を受けたことがない場合は受診が必要です。
 心エコーで心筋の動きや心嚢液の有無を確認します。

左軸偏位/右軸偏位

判定目安: B〜C(軽度異常・要経過観察)


どんな状態?

 心臓の電気の向きが通常とずれている所見です。
 体型の影響でみられることもあります。

対応の目安

 単独で他の心電図異常がなければ経過観察となることもありますが、他の心電図異常を伴っている場合は一度受診をご検討ください。

④ その他(突然死関連の体質が疑われる所見など)

ブルガダ型心電図

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 特徴的な波形で、まれに夜間の突然死と関連する体質が疑われます。

対応の目安

 専門医による波形確認とリスク評価が重要です。
 これまで循環器内科で評価を受けたことがない場合は受診をご検討ください。

QT延長

判定目安: C〜D(要経過観察・要精査)


どんな状態?

 電気の回復時間が延びています。
 薬剤、電解質異常、徐脈などが原因のこともあります。

対応の目安

 服薬内容や採血を含めて評価します。
 失神などがある場合は早めにご相談ください。

5. 当院(循環器・不整脈専門医)での診療の流れ

当院では、健診結果に対する医学的な評価と、必要な検査の選択を行います。

STEP 1:問診・聴診

健診結果を詳しく拝見し、自覚症状の有無、既往歴、内服薬、生活背景などを丁寧に伺います。

STEP 2:心電図検査

健診時と同じ所見が再現するか、健診時が一過性(条件による変化)だったのかを確認するため、まずは院内で心電図を取り直します。

※健診心電図のコピーやデータがある場合は、あわせて拝見します。

STEP 3:追加検査

所見と症状に合わせて、必要な検査をご提案します。

心臓超音波検査(心エコー)

心エコー

心臓の動き、弁の状態、心肥大の有無などを、超音波画像で評価します。

可能な限り受診当日の検査に努めていますが、混雑状況(特に日曜日)により当日中に実施できず、後日のご案内となる場合があります。
あらかじめご了承ください。

ホルター心電図(24時間心電図)

日常生活中の脈の乱れを記録し、症状との関連を評価します。

当院では、解析を院内で行う体制を整えています。
そのため、通常は機器の取り外し日に解析を行い、そのまま結果をご説明することが可能です。
(何度も通院いただく手間を減らし、結果待ちの不安を早期に解消できるよう努めています)

採血検査

不整脈や息切れの背景として、電解質の異常、心不全の関与などを確認する目的で行うことがあります。

例:電解質(カリウムなど)、BNP(心不全の指標)など

STEP 4:結果説明・方針決定

検査結果に基づき、

  • 治療が必要か
  • 経過観察で良いか
  • 年に1回の健診で十分か

を整理してご説明します。

6. 検査にかかる費用の目安

健診後の二次検査は、基本的に保険診療(3割負担)となります。

以下はおおよその目安です(初診か再診か、追加検査の有無で変わります)。

検査内容 3割負担での自己負担額(目安)
診察 + 心電図のみ 約 1,500円 前後
診察 + 心電図 + 心エコー 約 4,500円 前後
診察 + 心電図 + ホルター心電図 約 1,0000円 前後
  • 上記には初診料などが含まれています。
  • 血液検査を行った場合は、項目に応じて別途費用がかかります。
  • お薬が処方された場合は、別途薬局での費用がかかります。
  • 健診の二次検査は「健康診断の延長(無料)」ではなく、「保険診療」となりますのでご注意ください。

7. まとめ:安心のために、一度確認させてください

健康診断での心電図異常は、心臓からの「一度チェックしてほしい」というメッセージです。

自己判断で放置せず、かといって過度に心配しすぎず、まずは専門家に相談していただければと思います。

「異常なしを確認して安心する」ためだけでも、受診する価値は十分にあります。

仙台市太白区の当院にて、循環器・不整脈の専門医がお待ちしておりますので、結果表をお持ちの上、お気軽にご来院ください。

どんな心電図異常であっても、まずはご相談ください。

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お電話でのご予約

022-302-5241

参考文献

  • 日本人間ドック学会・日本人間ドック健診協会・日本総合健診医学会・日本健康評価コントロール学会・日本病院会予防医学事業委員会・日本不整脈心電学会. 標準12誘導心電図検診判定マニュアル 2023年度版.
  • 黒田直人, 山崎直仁. 1からはじめる 健診心電図判定 基本知識と考え方. 克誠堂出版.
  • 特集 救急じゃない心電図. 治療. 2019;101(3). 南山堂.
   免責事項:この記事は情報提供を目的としており、個別の診断に代わるものではありません。症状がある場合やご不安がある場合は、医療機関を受診し、医師にご相談ください。 
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