仙台どうき・息切れ内科総合クリニック

息切れ

息切れ(呼吸困難)について

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「最近、階段をのぼるとすぐに息が上がってしまう…」
「以前は平気だったのに、少し動いただけでも呼吸を整えるのに時間がかかるようになった…」

――こうした「息切れ」の症状に、不安を感じていませんか?

息切れは、多くの方が経験する身近な症状ですが、その背景には心臓や肺の重大な病気が隠れていることもあります。「歳のせいだろう」と自己判断せず、まずはその原因を調べることが大切です。

この記事では、息切れの主な原因や危険なサイン、そして循環器専門医による診療の流れや費用の目安を分かりやすくご紹介します。

ご自身の体のサインを正しく理解し、安心して医療機関を受診するための一助となれば幸いです。


目次

1. 息切れとは?体からのSOSサイン

息切れは、医学的には「呼吸困難」と言い、「呼吸が苦しい」「息が足りない」といった呼吸に関する不快な感覚のことです[1]。

大切なのは、これが「ご本人が感じる主観的な症状」であるという点です。

単なる体力低下だけでなく、体が発する何らかの異常を知らせるサインかもしれません。

以前は問題なかったような軽い動作で息切れを感じるようになったら、一度立ち止まってご自身の体と向き合ってみましょう。

2. 息切れの主な原因

息切れは、心臓や肺の病気をはじめ、様々な原因で起こります。

ある報告によると、息切れで受診された方の原因の約85%は、心臓または肺の病気が占めているとされています[3]。

心臓の病気

心臓が原因の息切れは、多くの場合、最終的に心不全という状態に至ることで生じます。

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態のことです。

狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)や不整脈など、様々な心臓の病気が原因でポンプ機能が低下(左心不全)すると、肺から心臓へ戻ってくる血液が滞ってしまい(肺うっ血)、肺に水がたまったような状態になります。

これが「息切れ」として自覚されるのです。

肺の病気

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
    「タバコ病」とも呼ばれ、長年の喫煙が主な原因です。
    タバコの煙に含まれる有害物質が、酸素を取り込む肺の組織(肺胞)を破壊し、気道を狭くしていきます。
    ゆっくりと、しかし確実に肺の機能は失われ、初めは坂道や階段での息切れだけだったものが、次第に平地を歩くだけでも息苦しくなるなど、生活に大きな支障をきたすようになります。
  • 気管支喘息: アレルギーなどが原因で、発作的に気道が狭くなる病気です。
  • 肺炎: 細菌やウイルスなどによって肺に炎症が起こる病気です。

その他の原因

酸素を運ぶ力が落ちる貧血や、新陳代謝が過剰になる甲状腺機能亢進症精神的なストレスなども原因となりえます。

→各疾患の詳しい解説は「A. 息切れの原因となる病気(準備中)」をご覧ください。

3. 生活習慣病と心不全リスク|症状がないうちからの予防が大切です

高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症など)といった生活習慣病で治療中の方は、治療を受けていない方に比べて、心臓に長期間負担がかかり続けているため、心不全を発症するリスクが高いことが分かっています。

心不全は、ある日突然発症するように思えるかもしれませんが、実際には症状がないうちから水面下で静かに進行していることが少なくありません[4]。

「息切れ」という自覚症状は、心臓が「もう限界に近い」と発しているSOSサインなのです。

だからこそ、はっきりとした症状が出る前に心臓の状態を把握し、心不全を未然に防ぐことが極めて重要になります。
当院は循環器を専門とする医師が、生活習慣病の管理はもちろんのこと、定期的な心臓のチェックを通じて、皆さまの心臓を「守る」医療を目指しています。
生活習慣病で治療中の方は、現在息切れなどの症状がなくても、ぜひ一度ご相談ください。

心エコー1

4. 【要注意】すぐに受診すべき危険なサイン

以下のような症状は、緊急性の高い病気の可能性があります。ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診してください[2,5]。

  • 突然、強い息苦しさが現れた
  • 安静にしていても息苦しい
  • 胸に激しい痛みを伴う
  • 唇や顔色が悪く、紫色になっている(チアノーゼ)
  • 意識がもうろうとする

5. 当院の診療:可能な検査と診断の流れ

当院では、患者さんの不安な気持ちに寄り添い、息切れの原因を的確に診断するため、以下のような検査を迅速に行うことが可能です。

問診・診察

まず、症状について詳しくお話を伺うと同時に、血圧、脈拍、呼吸数、体温、酸素飽和度といったバイタルサインの測定や、聴診器による心臓・肺の音の確認など、丁寧に診察します。

迅速な初期検査

  • 胸部レントゲン検査
    肺炎
    を疑わせる明らかな影がないか、心不全による肺うっ血(肺に水がたまった状態)や胸水がないかなど、肺や心臓の大まかな状態を確認します。
  • 12誘導心電図検査
    必要に応じて行います。息切れの原因として心臓の病気が疑われる際に、不整脈や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)が隠れていないか調べるための重要な検査です。
  • 血液検査
    貧血
    の有無、炎症反応の程度を確認します。
    息切れの原因として心不全や肺血栓塞栓症も考えられるため、これらの病気を調べるための検査も行います。
    心臓に負担がかかると上昇する心不全マーカー(NT-proBNP)や、血の塊で数値が上昇するD-ダイマーを院内で迅速に測定し、診断の補助とします。

精密検査

  • 心エコー(心臓超音波)検査
    心臓のポンプ機能や弁の状態などをリアルタイムで詳しく観察できる、非常に重要な検査です。
    医師が必要と判断した場合、診察当日に実施することも可能です。

これらの検査結果を総合的に判断し、診断と今後の治療方針について、分かりやすくご説明いたします。

→検査や治療法の詳細は「B. 息切れの検査と治療(準備中)」をご覧ください。

6. 費用の目安(3割負担の場合)

安心してご受診いただくために、費用の目安を以下に示します。

診療内容 費用目安
初診 + 基本的な検査
(血液検査・胸部レントゲン・心電図など)
約3,000円 ~ 5,500円程度
上記に心エコー検査を追加した場合 合計で 約6,000円 ~ 8,500円程度

※上記はあくまで目安であり、実際の費用は検査項目や診療内容によって変動します。ご不明な点は、お気軽にお尋ねください。

→受診の流れや各検査・薬剤費の詳細は「B. 息切れの検査と治療(準備中)」でご確認いただけます。

7. まとめ:息切れを感じたら、どう向き合えばよいのか

息切れは、「歳のせい」と見過ごされがちな症状ですが、その裏には心臓や肺の治療可能な病気が隠れていることが少なくありません。

特に、以下に当てはまる場合は、放置せずに一度ご相談いただくことをお勧めします。

  • 生活習慣病(高血圧・糖尿病など)で治療中の方
  • 以前より明らかに息切れしやすくなったと感じる方
  • 胸の痛みやむくみなど、他の症状も伴う方

息切れの原因は心臓、肺、その他多岐にわたります。

当院では内科・循環器内科の専門的な視点から、息切れの原因を丁寧に調べ、その原因に応じた的確な診断と治療を行います。

気になる症状があれば、どうぞお一人で悩まず、まずはご予約の上、お気軽にご相談ください。

関連ページ

より詳しい情報については、以下のページも準備中です。

  • A. 息切れの原因となる病気(準備中)

  • B. 息切れの検査と治療(準備中)

  • C. 息切れの予防とセルフケア(準備中)

  • D. 息切れに関するよくあるご質問(準備中)

ご予約・お問い合わせ

当院では、待ち時間緩和のため、ご予約をお願いしております。
現在、WEB予約システムと専用電話回線の準備を進めております。
準備が整い次第、こちらでご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。

参考文献

  1. Schwartzstein RM. Approach to the patient with dyspnea. In: UpToDate, Post TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA. (Accessed on March 28, 2025)

  2. Ahmed A, Irving S. Approach to the adult with dyspnea in the emergency department. In: UpToDate, Zachrison KS (Ed), UpToDate, Waltham, MA. (Accessed on June 21, 2024)

  3. Budhwar N, Syed Z. Chronic Dyspnea: Diagnosis and Evaluation. Am Fam Physician. 2020;101(9):542-548.

  4. 日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン. 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン.

  5. Santus P, Radovanovic D, Saad M, et al. Acute dyspnea in the emergency department: a clinical review. Intern Emerg Med. 2023;18(5):1491-1507.

免責事項

この記事は情報提供を目的としており、個別の診断に代わるものではありません。ご自身の健康状態や治療については、必ず医師にご相談ください。


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